感情

子を高岡駅まで送っていった。
改札を過ぎてホームの階段から降りてくる姿をみようと
待っていた。
あれ?ホームはあれでいいのかしら、ひとつ遠く感じた。
私の携帯が鳴った。
何番線だっけ?5番線だよ。あ、やっぱり違ってた。
入場券を買ってホームへ出た。
5番線のホームの、電車の最後尾の辺りで子はしゃがんでいた。
きゃしゃな二の腕をまげて。上目遣いのときや
うしろを振り向いたときの子の目は
生まれてまもない頃の、抱っこをしていた頃の目と一緒だ。
とても頼りなさそうに映る。
まだ、この年だからこたえていられる。
年をとればとるほど こういう別れに持ちこたえられるか、
自分の親と親である自分とを比較してしまう。
一見 今風な軽い格好をしている子だけれど
いま、電車の中だから電話切るね。
少しの儀礼も知っている。欲目か。
何回かのさようなら。あの子とのさようならは
いつも苦手だ。
by f-sekkou | 2005-09-06 17:33 | 日常


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