鬼の目に

再放送だったと思うのだが 過日NHKで
『神様がくれた時間 ~岡本喜八と妻 がん告知からの300日~』を
みていた。

新聞で 岡本監督が亡くなられたことは知っていたが
亡くなられたんだなと 認識をする程度だった。訃報欄には
毎日 小さな文字でびっしりと お名前が列記されているし
ひとさまの死に 何おもうでもなく頁を繰っている。

その方の あるいはその周囲の方々の
内情を知る由もないから
気持ちが入らない。その気にならないから
ひとさまの死にも鈍感になる。

だけど TVで
岡本監督とみね子夫人のドキュメンタリーに
一遍の上質な映画をみているような気分になったとき
わたしは 初めてこの監督の死に涙を流した。

泣く、とは
所詮 こんなものなのだろうか。

死、とは
所詮 こんなものなのだろうか。

もらい泣きをする女を見ることがある。
よくも簡単に泣けるものだ、泣くことと
優しさはちがう。そう いつも思っていた。

だけど TVをみて初めて
監督の死に ひとさまの死に涙を流す自分も
いつも軽蔑していた対象の女と変わらない。

鬼の目にも涙、一過性の泣きごとだ。
by f-sekkou | 2007-05-20 11:41 | 日常


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