やまなしの

夫の従兄弟がこちらで何泊かした後 
奥様のご実家がある 山梨の韮崎(にらさき)へ行くというので
彼を送りながら わたしも里へと帰省した。

もちろん 私は同乗の荷物並で
わたしが彼を送ったわけではない

住所でいえば富山市内だという 奥深い山を抜けて
岐阜にはいり 長野を抜けて山梨にはいる
須玉インターで降りるはずが 混雑していたのでその手前のインターで
降りたらしい(私は 眠り込んでいていて 彼をインターで下ろして
別れると聞いていたのに 目がさめたら山中を走っているのだった)

人里はしだいに 眼下へと遠のいていく
(家並みを離れて お山へと上がって行ったから)

その昔 力を持った家というものは
この地に限らず 人々を見下ろすように山の上に在るものだ
到着したお家は 確かにその通りのタダモノノ家構えではなかった。

やまなしの_b0062748_11194230.jpg

やまなしの_b0062748_11201890.jpg


見事な枝振りの赤松は 中をのぞくと
根はひとつの木であり
その奥に 昔懐かしいポストが立っている。

ご当主は 郵便局長さんをしていらしたと聞いた。

初めて伺うお家なのに 昼時だからと
ごはんまで図々しく頂戴した。

広い土間で靴を脱ぎ 板の間をよいしょと上がりして 畳の間になる。
さきほどの土間をはさんで 奥には台所がみえた
後で聞いたのだが 下男下女の部屋、家人の部屋、家長の部屋と
そのたんびに 敷居が高くなっていくそうである。

里(千葉の田舎である)の母に その話をしたら
昔あった母の家の作りもそうだったと 懐かしげに言っていたから
文化の伝播は 昔も今もそう変わらないのかもしれない。

家のたたずまいは 住む方を映すのだろうか。

従兄弟のお嫁さんのご両親、ひとさまというものに
久々 感動してしまった。夫も私もである。

これから 車を運転するのだからお酒は飲めませんと
お断りをしても 盆にいらした客人に酒も出さぬとはと
おっしゃるそのお父様のご様子に 腰の軽い、町の人間にはない
なんだろう 生活の厚みとでもいおうか
古くても良いもの(古きよきもの、ではなく)を勝手に感じてしまっていた。

やまなしのかの地に あの方々が住んでおいでる、
そう思っている。
by f-sekkou | 2007-08-21 12:15 | ひとりごつ


株式会社福光石工


by f-sekkou

福光石工ホームページ

カテゴリ

全体
マイブーム
お仕事
風物詩
世事
工場の移設
お商売
日常
ひとりごつ
日々徒然に
未分類

以前の記事

2021年 01月
2020年 12月
2019年 12月
2019年 09月
2019年 05月
more...

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

日々の出来事
50代

画像一覧